永遠にお友達よ

寒い寒い冬のひととき
ペンちゃんと雪だるまさんは再会するたびに

うれしくて
楽しくて
そして
お別れの瞬間は　我慢しても　我慢しても
必ず切なくなってしまう。

でも
この繰り返しが二人にとっては
とっても幸せなのです。

また会えたこと
そしてまた会う約束ができたこと

二人は永遠に仲良しの特別なお友達よ。

この冬の雪だるまさんとペンちゃんの再会のお話でした。

次の冬も　きっと　きっと・・・。

雪だるまさん・・・心配しないで

ペンちゃんの大切な大切なお友達の
大きくて優しくて雪だるまさん・・・

もう、雪だるま友達と一緒に遠くの雪だるまの国へ
着いた頃なのでしょうか・・？

雪だるまさんのお里であるこのお家で
ペンちゃんはかわいい仲良しさんたちやお母ちゃんに囲まれて
幸せに暮らしとるよ。

ペンちゃんは雪だるまさんに会えない日も
さみしくて悲しんだりしないから
心配しないでね・・・

雪だるまさんも　キラキラの雪だるまの国を
楽しんできてね。

そして
また会える日を楽しみに待っとるよ。
楽しくここで暮らしながら待っとるよ・・・

どっちでもええのです

ちっこい雪だるまさん・・・
ペンちゃんと同じスカーフにお着換えして
待っててくれてたのね！

ごめんね。ごめんね。

・・・・・

お母ちゃんが寝ていたちっこい雪だるまさんを起こして
ペンちゃんをお迎えしてあげて、と頼んでくれたのでしょうか？

それとも

ちっこい雪だるまさんははじめからおねんねしたふりをして
ずっとペンちゃんが帰るのを待っててくれたのでしょうか？

・・・・
そんなこと
どっちでもええのです。

こうして待っていてくれたんだから。

雪だるまさんが去っていった時以上に
涙が止まらないペンちゃんなのでした。

走ってお家に

はあはあ・・・
ただいま！ちっこい雪だるまさん！

ごめんね！
ごめんちゃいね！
おねんねしていると思ったから・・・

ペンちゃんがいなくて心配しとったんやないの？

ありがとうね！
起きて待っててくれて　ありがとうね！

待っててくれたのね

ちっこい雪だるまさん

ペンちゃんのこと
待っててくれてたのね・・・

お家の灯りが

そして
ペンちゃんのお家の灯りが・・・

「・・・あっ！」








ちっこい雪だるまさん！

帰り道は寂しく

雪だるまさんに会いたくて走り抜けた道を
ゆっくり歩いてお家に引き返すペンちゃん。

雪だるまさんに会っているお時間はなんだかキラキラして
夢のようなお時間だったのに

帰り道は
なんだか　暗くて寂しい・・・

『出かけて行きました』

こうして

ペンちゃんの雪だるまさんは
また【雪だるまの国】へ戻っていきました。

「行ってらっしゃい。雪だるまさん。
雪だるまの国へ・・・帰ったんじゃなくて出かけたのよね・・・
雪だるまさんの本当のお家はペンちゃんのおそばだものね。」

また帰ってきてね・・・

ペンちゃんだって涙が

行ってきま〜す！



ペンちゃん

だ〜い好き・・・・

やっぱり涙が

「雪だるまさ〜〜ん！またお寒くなったら
絶対ここに戻って来るんよ〜！ここが雪だるまさんのお里よ〜！」






「ペンちゃ〜〜ん！必ず帰って来るよ〜！
ペンちゃんのおそばがボクのお家だよ〜！」


ペンちゃんには
ボクの姿は
もう　雪の世界に　かすんで　かすんで
見えなくなってきているよねえ




なので
なので

こっそり　泣いちゃうよ



やっぱり
泣いちゃうよ

どこへ行っても想っているよ

「また遠く離れた雪だるまの国へ戻るよ」






「ペンちゃんのことは

どんなに遠くに行ってもずっと想っているよ」







「ペンちゃんもよ！
ペンちゃんも　雪だるまさんのことず〜〜っと想っているよ！」

両手でバイバイ

「ペンちゃ〜ん！
次に来た時もまた雪だるまの国のお話、いっぱい聞いてね〜〜！」







「楽しみに待っとるよ〜〜！
またおやつもたくさんご用意しとくからね〜〜！
ず〜〜っと楽しみに待っとるからね〜〜！」

キラキラの雪の中へ

「ペンちゃん、来てくれてありがとう。またね」





「雪だるまさん、来てくれてありがとう。またね」

出発のお時間

「じゃあ・・ペンちゃん、そろそろ、ボク、出発するね。」


「雪だるまさん。・・・気を付けて行ってらっしゃい。
お暑すぎるところやお寒すぎるところに行っちゃいかんよ。」


「うんうん。大丈夫だよ。ありがとう　ペンちゃん」

はぐれたらたいへんよ・・・

「・・・さあ・・・お寒いから・・・ペンちゃんはお家に戻ってね・・・
はい。ブランケットを頭からかぶって暖かくして。」

「ありがとう雪だるまさん。」

「・・・ボクはそろそろ、雪だるま仲間のところに戻らなきゃ。」

「あっ。そうよね。ふふふ。みんなとはぐれたらたいへんやよってにね。
お鼻用の赤いキャンディ、忘れずに持って行ってね」

「うん。ありがとうねペンちゃん。会えてよかった。また来るね。」

「気を付けて行ってらっしゃいね。
ありがとうね雪だるまさん。絶対、また来てね。待っとるからね。ふふふ。」

・・・
ふふふ。
ペンちゃんが
雪だるまさんを　笑顔で見送ってあげるね。

最後のドーナッツ

かわいいふたりを邪魔しないために
ちょっと離れたところまで
お母ちゃんがひそかに持ってきてくれたドーナッツなんぞも食べながら

雪だるまさんとのお時間はふんわりとそしてあっという間に
すぎさっていくのでした。

「雪だるまさん、最近も雪だるま仲間のみんなと
氷のお山にピクニックに行ったりしてるの〜？ふふふ」

「行ってるよ〜。ボクたちはお暑いところはだめだけど
寒すぎる日はすごい吹雪で見晴らしがわるくなるでしょ〜？
お寒くていいお天気の日って貴重なピクニック日和なんだよ〜。」

「ひゃ！そうなのね〜〜。なかなかいい日を見つけるの、たいへんなのね〜。
ふふふ。」

「はい。ペンちゃん、ドーナッツ。あ〜〜ん。」

「あ〜〜ん、ふふふ。雪だるまさんももっと食べんちゃいよ〜♪」

「ボクはもう５個食べちゃったよ〜。」

「ふふふ。相変わらず食いしん坊よね〜♪
じゃあ、最後の１個は半分こね♪」

最後の１個のドーナッツを食べ終わったら
雪だるまさんは
そろそろ　また　雪だるま仲間のいる雪だるまの国へ
行ってしまうよね・・・ペンちゃんにはそれがわかっているのでした。

「ふふふ。・・・最後の１個は　ゆっくりゆっくり食べようね。」

雪もお星さまも

「ペンちゃん、寒いでしょ？ほらちゃんとブランケットを巻いて。
はい。もっとおそばに寄って。寄って。」

「ありがと〜、雪だるまさん。ふふふ。
ねえねえ。また雪だるまの国のお話、聞かせてよ〜。」

「うんうん。聞いてほしいお話がいっぱいだよ〜。
こないだね、ちょっと寒すぎるところに行っちゃってね〜。
雪だるま仲間の子が固まってしまいそうになったんだよ〜。」

「んまあ！雪だるまさんはそんな危険なところに行っちゃいかんよ！
かえってこれなくなったら大変よ〜！」

「大丈夫だよ〜。ボクはどんなにお寒いところに行っても
必ずペンちゃんのところに帰って来るから・・・」

雪の中の仲良しの二人を照らすために
今夜は特別にお星さまもキラキラ光ってくれるのでした。

どんなに遠くても

「おかえり！おかえり！ペンちゃんの雪だるまさん！
無事でよかった！よく帰ってきてくれたね！ありがとう〜。ありがとう〜。」

「ただいまペンちゃん。無事に帰ってこれたよ〜。
ペンちゃんのおそばがボクのお里だから〜〜どんなに遠くまで行ってても
必ずここに帰って来るよ！」

ペンちゃんに会いたくて帰って来るよ。

ここにいるよ

「わ〜〜！ここだよ〜〜！ペンちゃ〜〜ん！ここにいるよ〜〜！」


「わ〜〜！おかえり〜〜！」

雪のなかへ

「わ〜〜〜〜〜〜〜・・・・・」



ペンちゃん、駆け出しました