お歌よりも

「・・・・・ポッピー！ホッピー！

みんな・・・みんな・・・

やっぱり・・・お歌よりも・・・お歌よりも・・・

がんばって　生き残って！

みんな、頑張って・・・・生き延びてね！」




「何がなんでも生きぬいてここに帰ってくるんよ！

いなくなっちゃいかんよ！！」




「ホケキョ〜〜〜！！」

「ホ〜〜〜ホケキョ〜〜〜！！」

（生きぬきます！

絶対に頑張って生きてまたここに。ありがとうペンちゃん・・・）

ぼ〜っとしてないで！

「ちょっと〜！ポッピー！聞いてるの？
あんたも歌いんちゃいよ〜！！」

「ケキョケキョ！」
（ペンちゃん、ポッピーを注意してきます！）





「ケキョケキョ！」

（これ、ポッピー！ぼ〜っとしてからに！
ほれ、歌って！歌って！ペンちゃんにきいてもらいなさい！）

「ケキョ！」

（ぎゃ！お兄ちゃん！）


ついさっきまでひそかに泣いていたホッピー、

何事もなかったのように弟ホケキョを厳しく指導する兄ホケキョの顔に
もどっておりました。

もう春なんて・・

いかがでした？
この春のホケキョとペンちゃん母子のお話・・・
（春どころか・・・すっかり夏で激暑の真っ只中なんどすが・・・ぴぴぴぴ・・・・）


今年はボク、また一段とホケキョたちと仲よくなったもんやから〜〜お別れが・・・さみしかったんどすが・・・

でも〜〜〜
ボク・・ちゃんと若ホケキョ全員を無事に卒業させてあげれたから〜〜〜・・・・よかったんどすよね！

来年の春、みなさんのおうちの近くで
激しくお歌のお上手なホケキョが現れたら・・・・・
もしかしたらペンちゃんの歌声教室を卒業した子かもしれ〜〜〜ん。きゃ！

この春の思い出は

そしてお幸せなペンちゃんとお母ちゃんのおうちには
またこの春のペンちゃんのおステキな思い出がいっぱいのお写真が
1枚1枚飾られていくんですって。

ホケキョと一緒にすごしたほんのわずかな春のひと時は
やっぱり今年も本当に楽しくて、そしてお別れはやっぱりさみしくて

でも
ペンちゃんのお庭にはまたこの夏のペンちゃんの毎日を楽しくしてくれるご準備がもういっぱいやってきてるんですって。


ちいさな朝顔のふたばさんに囲まれながら
また次の春、ホケキョたちがこのお庭に帰ってくる日を、そしてまた満開の朝顔さんにむかえられてお目覚めする夏の日々を

ちいさなペンちゃんは今日も夢見ているのでした。


季節はどんどんめぐっていっても

やっぱりペンちゃんは本当にいつもお幸せで・・・

うれしくってうれしくって涙がポロンとでてきてしまうのでした。

ペンちゃんとお母ちゃんとホケキョたちの
ほんのわずかな日々のおもいでいっぱいのおはなし、これにて
おしまい

もっとお幸せに

「ボクのお庭にはいつでもいっぱい　ボクの大好きなことが・・・どんどんやってくるよね！お母ちゃん！」


そうよね。

そうよね。

ペンちゃんがホントにとってもいい子やから〜〜〜

ペンちゃんをもっともっとお幸せにするために　
ペンちゃんともっともっと一緒にお幸せになれるように

みんなどんどんペンちゃんのおそばにやってくるんよ！


「お母ちゃんもペンちゃんのおそばに　これからもずっといてるからね！お母ちゃんもこれからもずっとずっとお幸せでいたいからね！ふふ！」

ホ〜〜〜〜〜

ボク、お知らせしとくわ！！





「ホ〜〜〜〜〜」






「ホケキョ〜〜！！！！！」







「ふふ！！すご〜〜い！！」


聞こえてるよ！

絶対聞こえてるよ！ペンちゃん・・・

きっと元気で・・・

ホケキョたち・・・
もうそろそろ次の町に着いたやろか〜〜？

あの遅れて出発した若ホケキョは・・・きっとすぐに
みんなに追いついたよね！お母ちゃん！


きっといっぱいボクのお庭で遊んだから〜〜
つぎの町ではすごいがんばってええお声でお歌を歌っとるやろうね〜〜。


「そうよね！ペンちゃんも・・・これから朝顔さん育て、がんばるよ〜〜って
ホケキョたちにお知らせしたいね！」

そうよね・・・

「・・・・そうやね。これから・・またお忙しいよね！！」

ふふ！


そうよね。
ペンちゃんは
うちのちいさいペンちゃんは・・・どんどんやってくるおステキなことで忙しくて・・・
お母ちゃんも泣いてる場合では　ないんよね。





そう！そうなんよ〜〜！！いっぱいお幸せな事が
やってきて・・・・ペンちゃんはお幸せすぎてお忙しいんよ〜〜

「お母ちゃん、だっこ〜〜〜！！」

ご一緒に・・・

ボクと一緒に〜〜〜お育てしようね！
ボク、去年の朝顔さんらと今年もいっぱいお花を咲かせるよ、って
お約束しとるんよ〜〜〜。

これからまた毎日お忙しくなるから〜〜〜

泣いとるヒマはないんよ〜〜！！ふふ！！

それって・・お母ちゃんのこと？

「！！・・・・ひょっ！？」

え・・・・・
・・・そ・・・それはペンちゃんのことでは・・・・あ・・・あら・・・








安心して！もう悲しまんでええからね！！

お母ちゃんにもちゃんと朝顔さんのお育てには参加させてあげるから〜〜

ね！ね！

ホケキョが全員・・・

お母ちゃん。
もしかして・・・
きのう、ボクのおうちに残ってくれるはずやった若ホケキョも・・・他のホケキョたちも全員よその町へ行ってしもたから〜〜〜

おさみしいんやね！


悲しんでるときに朝顔のふたばさんらが来てくれたもんやから〜〜〜
余計に感激して思わず泣いてしもとるんやね！！

そうなんやね！！？

お気持ち、わかるよ！

あのね、もしかして

（お話もどって・・・・）


お母ちゃん・・・・

もしかして

あのね・・・

もしかして、お母ちゃん・・・

「はっ！！！！お・・・お母ちゃん」

お母ちゃん・・・・・

もしかして・・・

ホントにうちの子は

ホントに

ホントに

うちの息子は

なんて　なんて　ええ子で・・・


う・・・

う・・・・・・







「うぎゃ〜〜〜〜〜！！！！」




「ひょ〜〜〜〜っ！！！」

こんなに涙が

「今年もよろしくね。お約束どおり今年もいっぱいお花が咲けるようにお世話をがんばるからね！！」


うんうん。よろしくね。

うん。　　　うん。






ペンちゃんには

いっぱい、いっぱい、うれしいことや　かなしいことを感じるお気持ちがつまってるんやね。

とってもお気持ちがあったかいんやね。

昨日はホケキョが帰ってしまうときは一生懸命笑っていたね。
お母ちゃんの前では絶対悲しい涙をみせなかったのに。

でもうれしい時の涙はこんなにいっぱい　いっぱい　あふれてくるのね。

また来たよ！

「また来たよ！ペンちゃん！」

今年も、よろしくね！
ペンちゃん！
また会えたね！ペンちゃん！



「うん。うん。みんな、お帰り！お帰り！」

みんな・・ぼくは

「来た！！また来てくれたんやね！！」


「みんな〜〜〜！！待っとったよ〜〜〜！！ぴぴ〜〜！！」



ホントに
待っとったよ〜〜〜〜！！

来た！！ねぇ！

き・・・・

「来た〜〜〜〜〜！！うぎゃ〜〜〜！！」






「・・・・・・」

ついに・・・

あ・・・・

これは・・・・


「・・・・き・・・・・」

ホケキョが来る前に

「すごいね！ペンちゃん！！」


ホケキョたちがここのお庭に遊びに来るちょびっと前に
ペンちゃんがまいておいた朝顔さんの種、ふたばさんが出とるね！！


ふたばさん全員、去年ペンちゃんがお育てした朝顔さんの種の子たちやね！！

すごいねえ！





「・・・・・・・・・・」