そして、ぐっすり

そして　　そして

夕べ、悲しいお気持ちのまますごくお早くおやすみしたペンちゃんは


ドボンドボンに涙を流しながらもと〜〜〜ってもぐっすりおねむちゃんをしたので・・・・・昨日の落ち込みなんぞすっかり消えてしもたくらいにちょびっとお早めのお時間に快適にお目覚めをしたんだって。



「ふあ〜〜〜〜〜・・・・・むにゃ〜〜〜〜」

今日も手作りの・・

「・・・・・・ううう・・・・」

お母ちゃん、お母ちゃん。
ごめんね。ごめんね。

ボク〜〜〜〜

ボク・・・・・

ホンマはホンマは・・・別にあのプリンじゃなくてもよかったんやけど・・・・

お母ちゃんが　ボクが生まれるより前に食べたことがあったって・・・お話してたから・・・・

お母ちゃんはボクが生まれる前は・・・・どんな感じでおくらししてたんやろ・・・って

ボク、なんか・・・・ちょびっと寂しくなって・・・

それで〜〜どうしても今度はボクが一緒にお母ちゃんと食べたいな〜〜って・・・思ったから・・・・

あんなにムキになってお母ちゃんにひどいことを言うて・・・


うううう・・・・

こんな悪いおヒナ息子やったら〜〜〜お母ちゃんに嫌われてしまうわ・・・

明日は　　明日は　　お母ちゃんにごめんね、ってちゃんと言おう・・・・・絶対言おう・・・・・・



こんなことを思いながらペンちゃんはおやすみしたのでした。


そして今日のペンちゃんのおフトンのカバーはまたしても新作で・・・ずっと前からペンちゃんがお休みした後、お母ちゃんがせっせとパッチワークでしあげてくれたものだったとか。


「お母ちゃん・・・ありがとう。・・・・・・うううう・・・・・・すや〜〜〜〜〜」

お母ちゃんの去った後

「・・・・・・・・・・・・・・・・」


・・・・お母ちゃん・・・・






「・・・・・・・・」


う・・・・うう〜〜〜〜・・・・・

明日はもう、ゆっくり

じゃあね。ゆっくりおやすみ、ペンちゃん。

明日はもうがんばってお早く起きなくてええんよ・・








「・・・・・・・」

あのね、今日はね。

「・・・・・・おやすみ。ペンちゃん。ゆっくりおねんねしてね」

「あのね・・・ペンちゃん・・・・」


今日はせっかくペンちゃんがお早く起きてがんばってたのに
お母ちゃんのせいで・・・・
ごめんしてね。

・・・・・じゃあね、ペンちゃん。







「・・・・・・・・・・」

もう寝たん？？

「ペンちゃん・・・・おねむちゃんしたかな・・・」









「すや〜〜〜〜すや〜〜〜〜〜」






「・・・・・・」

すごく おねむで・・

「ペンちゃん。今日はお早くおねんねやね・・疲れたんやね」


お母ちゃんはいつもどおりペンちゃんがすっかりスヤスヤするまで必ずおそばにおってくれるんどすが・・・

今日はペンちゃんはおフトンに入ってすぐに

「うん・・・なんか・・・今日は・・すごくおねむちゃんやから・・・」

というてお目目をとじたんやって・・・

ちょっと今夜は

「・・・・・お母ちゃん・・・今日、ボク、もうおねむちゃんになってきたから・・・もうねんねしてくる・・・」

ペンちゃんは普段はちょびっと激しい目に頂く晩ごはんもお早めにごちそうさまし、「赤ちゃんバスタブ」でお風呂も済ませて今日はお早くおねんねすることにしたのでした〜〜。


いつもはお早くお風呂を済ませた日でもお母ちゃんともうちょっと遅くまでテレビを見たり絵本を読んだりしてゆ〜〜っくりお時間をすごすんやけど・・・

なんだか・・・今日はそんな気分になれないペンちゃんであった〜。

なんとなく晩ごはんも

お家に帰ってからも〜〜〜
なんだか　かなしいお気持ちのままでゆっくり、ぼんやりしたお時間をすごしたペンちゃんやったんですって・・・

晩ごはんには今日、お母ちゃんが大奮発してデパートで買ってくれた三重県産の「特大イセエビ一本天ぷら丼」がドカンとでてきたんどすが・・・

なんだか・・・ちょっと・・・ペンちゃんはお元気がなくって


「ごちそうさま・・・」って

なんと浜名湖産の「うなぎ丸ごとぎゅうぎゅう巻き」を２切れほどだけ食べただけだったんですって。

「あら〜〜〜ペンちゃん。食べへんの？？もうごちそう様？？」

お母ちゃんがえらくご心配してくれたんやけど・・・

またペンちゃんは

「うん・・・」ってお返事しただけやったのでした...

お母ちゃんのお背中で

お母ちゃんのお背中に揺られてお家にかえるペンちゃんの目の前にペンちゃんの大好きな黄色くなったイチョウの葉っぱがぱらぱら〜〜とおちてきたんだけど〜〜

「ペンちゃん。冬が来る前にまたここに来て、ゆっくり遊ぼうか。今日はお母ちゃん、お荷物いっぱいやから〜〜また別の日におやつもってこようね〜。」

ってお母ちゃんはペンちゃんにはなしかけていた。


ペンちゃんはまたしても

「うん・・・・」

ってだけお返事したんだけど・・・

したんだけど・・・

なんだか　さっきデパートで「お母ちゃんが朝ごはんをたべなさいっていうてなかったら間に合ってかもしれんのに」って・・・

なんで　　あんなひどいことを言うてしまったんやろ・・・

それに・・・

ボク・・・なんでごめんなさい　って・・・言いそびれてしまったんやろ・・って思わず涙がポロンとこぼれたペンちゃんであった〜。

ちょっとだけ遠回り

「何もいらんからね！！」と思わず叫んだペンちゃんやったんどすが・・

お母ちゃんはまるでそんなペンちゃんの言葉はきいていなかったような感じのフリをしてやっぱり他のお店でいっぱいおいしそうなものをたくさんかってくれたりして・・・

お帰りの道はお母ちゃんの両手はまたしてもいっぱいやったんですって。


「ペンちゃん。せっかくお出かけしたからお帰りの道はちょっとだけ遠回りして帰ろうね。ここの通り、きれいでしょ〜〜。ペンちゃんの大好きな落ち葉のカーペット、もう出来とるね〜。見てる〜〜？？ペンちゃん」

お母ちゃんは両手いっぱいのお荷物をもったまま背中のペンちゃんにはなしかけてくれたんどすが・・・

なんだか悲しくって
　
でもお母ちゃんのお背中があったかくて・・・

ペンちゃんは

「うん・・・」って一言だけしかお返事ができなかったんですって。

お母ちゃんのお顔は

お母ちゃんは
「つかれたねえ　ペンちゃん。ちょっとお家でゆっくりしようか〜〜。ねえ。」というてニコニコしてペンちゃんをささっと抱き上げてくれたんどすが・・・・


ペンちゃんはお母ちゃんの腕のなかで

「お母ちゃん・・さっきのボクのひどいお言葉に・・・」きっと・・・きっと・・・傷ついてしまったにちがいないわ・・

ホントは・・・・お母ちゃん・・・ボクのせいで今、悲しいお顔になってしもとるとちゃうやろか・・・・


こんなことを思ったりしたんだって。


こうしてペンちゃんとお母ちゃんはまたしても震えあがる爆裂堂のバイトのお姉さんを背に、この場から立ち去ったのでした。　

はい、抱っこで

「さ、お母ちゃんが抱っこしたげるね。」

ペンちゃん、早起きしたから疲れたよね。
ごめんしてね。












「・・・・・・・」

帰ろうね

「・・・・・帰ろう　ペンちゃん。・・・ホントにごめんね」


大事なおカバンを落としてしまっとるよ。








「・・・・・・・・」


・・・・・・・


ボク・・・


ボク・・・



お母ちゃんに

ヒドイことを

言うてしもた・・・

そのとおり・・・

「・・・・・・・・あ・・・・」







「・・・・・・・・・」



・・・そうやね・・・・・

そのとおりやね・・・ごめんね、ペンちゃん。






「・・・・・・・・」


・・・・・あ・・・・

もう！明日は

「ねえ！ね！ペンちゃん！明日は・・・」


もうちょっとだけお早めに起きてもう一回来ようよ〜〜！！

ね！そうしよう〜〜。

今日はまた何か他のペンちゃんのお好きなもの、買っていこうね〜〜。






「いやや〜〜！！もう！もう！！ボク、明日はここにはけーへんからね！！」

今日もボク、お早く起きたのに！！！

お母ちゃんが朝ごはんを食べなさいって言わんかったら間に合ってたかもしれんのに〜〜〜！！！

今日はもう何もいらんからね！！
ボク！もうお家にかえる！！！

く・・・くやまれるわ〜〜〜

「うう・・・うううう・・・」


・・・・・

「あ・・・あの〜〜〜お客様・・・明日も・・・やっておりますんで・・・・あの・・・またのお越しを・・・・」

バイトのお姉さんはペンちゃんの悲しみっぷりにまたしても震え上がりまくったりして・・・


「ペンちゃ〜〜ん。今日は土曜日で昨日よりもっとお客さんが多かったんやわ〜〜。お母ちゃんも気がつかなくて〜〜ゴメンネ。ね。ね。明日、またやってるって。今日は仕方ないから〜また何か、他のお菓子でも買って帰ろうかな〜〜。ね。ね〜〜」


お母ちゃんもまたしてもかわいいわが子の落胆振りにあせりまくりだったとか・・・・


「うう・・・あと〜〜〜5分早う来とったら・・・・うううう・・・」

ご覧のとおり・・

「き・・・昨日に引き続き・・・ご来店ありがとうございますお客様・・・・あ・・・あの・・・」

ご、ご覧のとおり〜〜〜本日はさらに込み合っておりまして〜〜
激甘プリンの在庫が・・・もう本日は〜〜〜〜〜

え〜〜〜〜あの・・・あと、本当に5分程お早くお見えくださってられましたら・・・・






「・・・・・・ぴ・・・ぴぴぴ・・・・・・・」


5分・・5分とな？？！！
たった5分遅かっただけで・・・・このペンちゃんがこんなひどい目にあうやなんて・・・・・・


ぴ・・・・ぴぴぴぴぴ・・・・

なんやて〜〜〜〜！！？？

「な・・・なんやて・・・？？？」

ぴ・・・ぴぴ・・・・・






「．．．！！」


そ・・・そんな！！！







「・・・・・は！！」


ひ・・・ひぃ〜〜〜〜〜〜！！
き、昨日の激しい母子！！！

ならびはじめてすぐに

ぴぴぴ・・・えらい長い行列やけど・・・大丈夫やろか〜〜？？とペンちゃんがドキドキしながら行列にならびはじめてすぐに

なんとまたしてもバイトのお姉ちゃんが何かこっちに寄ってくるやないの・・・・・


で・・・で・・・・なんと・・・

なんと！ペンちゃんの一人前のおばはんに・・・

「お客様〜〜〜申し訳ございません。今、お並び頂いてます人数と今日の在庫の数とを確認しましたところ〜〜〜あいにくもう品切れになるかと思われますので〜〜〜〜ここまででお並び頂く列は打ち切りさせて頂くことに・・・・・・」


って・・・・・・

は！？？？

は〜〜〜〜〜〜〜〜！！！！？？？？