まだ夜中ですよ

長らく生誕祭で中断どしたが・・・

お話は雪だるまさんがいなくなったお庭のシーンにもどるどすよ・・・ううう・・・




「ペンちゃん。まだおヒナちゃんはおねんねしてるお時間ですよ。」

お家にかえろうか。ね。

だっこで　かえろうね。


「・・・・・」

こんな真夜中に！！

そして・・・

ペンちゃんがお空を見上げ終わったとき・・・





「あ。」







「ペンちゃん！ああ　よかった！」

お部屋を見に行ったらベッドにおらんかったからびっくりしたよ！

こんな夜中にひとりでお庭に〜〜。

遠い 遠い国へ

いってらっしゃい！

遠い遠い雪だるまの国へ

気をつけてね！

雪だるまの国で　お友達と

しあわせにね！

しあわせにね！

ペンちゃんの雪だるまさん！！

さよなら と言わないで

「・・・・・」







さよならではないもんね！

よかった

よかった・・・　

ちゃんと雪だるまさんの仲間が迎えに来てくれたんよね。

雪だるまさん・・・

ありがとう。

ペンちゃんのお庭に来てくれて

ありがとうね。

楽しかった・・・

泣いちゃいかんよ

「雪だるまさん！泣いちゃいかんやないの！」

ペンちゃんには泣いたらいかんっていうてたのに！

ふふ！

笑って出発せないかんのに〜〜！

ふふ・・・
















　



「・・・・・」

また いっぱい お話を

「ペンちゃん・・・」

また　今度ボクが帰って来たときも

いっぱい　いっぱい　お話をしてね。

ありがとう　ありがとう　やさしいペンちゃん。







ずっと　ずっと　しあわせに





　
「あ・・・・・」

きらきら舞っていたころ

「・・・・・」

・・・ペンちゃん・・・

ボクはこうやってペンちゃんに雪だるまの姿にしてもらう前のことを・・・

なぜだか　もう　よく思い出せないんだけど・・・

でも　なんだか・・・

ペンちゃんのことを

ずっとずっと前から知っていたような気がするんだよ・・・





もしかして

ボクがまだ　冷たい風の中できらきら舞っていたころ

どこかの地の果てで

ペンちゃんと巡り会っていたような気がするんだよ

だから　ペンちゃんは

ボクをここに呼んでくれたのかもしれないよ・・・

　

もしかしてここだけ？

「ふふ！なんか〜〜。きれいよねえ！」

しかもペンちゃんと雪だるまさんのまわりだけ降ってきとるんやな〜い？

きゃ！　そんな気がするよねえ！


「・・・・うん。　そうかもねえ・・・ペンちゃん・・・　」

ペンちゃん・・・

また粉雪が

「ん？？あっ！！」

見てほら〜〜！

急にまた雪が〜〜パラパラしてきたやないの！

今日はそんなにお寒くないのに！！







「・・・・・」

雪だるまの名簿にも

「うんうん。お願いね！ペンちゃん！」

ボクの出身地はペンちゃんのお庭ってことで雪だるまの名簿にも

載せてもらえることになってるから〜〜

どんなに離れたところに旅に出ても必ずここにお里帰りできるんだよ！

だから

泣いちゃだめだよ〜〜。ペンちゃん。





「ぎゃ！ぎゃ〜〜！泣いとらんよ！」

雪だるまさんをお見送りするのに〜〜

泣いてないからね！

安心して〜〜ほっとしただけなんよね！！

雪だるまの国のお話を今度いっぱい聞くのを楽しみにしとるんやからね！

だから〜〜悲しくないんやからね！！

たっぷり降らなくても

「大丈夫だよ！ペンちゃん！」

たっぷり　たっぷり雪が降らなくて・・・

ここのお庭がボクにふさわしい季節になったら〜〜

帰ってこれるんだよ！

ペンちゃんはボクがこのお庭に帰ってくる頃が　きっとわかるはずだよ！

ボクはペンちゃんにつくってもらったんだから・・・

きっと　きっと　わかるよ・・・





「そうよね！　ふふ！　よかった〜〜。」

お寒い季節が来たらね

雪だるまさんが　戻ってきたらね

ペンちゃんはすぐにお庭に出ていって迎えるからね！

今年みたいに雪は

ぴぴぴ・・・
ええとこで中断しとったペンちゃんと雪だるまさんのお話は〜〜
ちょうど雪だるまさんをお見送りするシーンからの再開どす〜〜。うう〜〜。





「・・・・・ペンちゃん、では　・・・・・」

そろそろいかなくちゃ・・・

ボクはしばらくの間　雪だるまの国への旅にでます。





「あ。あ。ちょっと・・・ちょっと・・・」

おひとつ心配なことを思い出したんやけど・・・

あのね、ペンちゃんのお庭にはね、今年はめずらしく雪だるまさんが生まれてくれるくらい

いっぱい雪がいっぱい降ったんやけど・・・

次の冬はね　今年みたいに雪なんか〜〜いっぱい降れへんかもしれん・・・

それでも　それでも

大丈夫なんやろか！？？

　

おみやげを忘れずに

「ペンちゃんが　見送ってあげるね！」

マフラーとキャンディのおみやげも〜

忘れずに持って行ってよね〜〜。


「うん。うん。ペンちゃん　ありがとう・・・」

待ち合わせの時間が

「・・・あ・・・ペンちゃん・・・」

ボク・・・そろそろ　出発するお時間が

せまってきてるみたい・・・

今年　雪だるまになれた新人ばっかりで〜〜

待ち合わせて雪だるまの国へいくことになってるんだよ・・・




「あ！そう！」

そしたら〜〜遅れたらたいへんよね！

そろそろ〜・・・よね・・・

ボクが来るから

「ペンちゃんはもうここのお家の大切なおヒナさんだから〜〜」

地の果ての雪だるまの国にわざわざ行かなくても

ボクのほうがまたここにもどってくるよ！

ペンちゃんは

幸せにここで暮らして

ボクを待っていてね！

その時また

いっぱい雪だるまの国で見てきたことを

ペンちゃんにお話するからね！

楽しみに待っていてね！


「うんうん。そうよね！わかっとるよ！！」

・・・わかっとるよ・・・

そうだよね

「そうよね・・・」

「そうだよ・・・」

やはり遠いところ

「や・・・やっぱり・・・」

ペンちゃんには

雪だるまさんの国は・・・

ちょっと　無理かな。ふふふ！






「うん・・・」

幸せなくらしが

「・・・・うっ・・・・・」

暖かいお家で

「・・・・・」

もう忘れるくらい

「ペンちゃんは　もう　そんな寒くて厳しいくらしのことは」

忘れちゃっているんだよ。

もうペンちゃんは

あたたかいお家でとってもかわいがられて

幸せに暮らしているんだから。

行っちゃダメだよ。

雪だるまの国みたいな寒さの厳しいところは

ペンちゃんには

もう遠い遠いところだよ。







「・・・・・」