急いだほうが？？

「・・・・・」

も・・・

もしかして・・・・



・・・・タタタタタ・・・・

この予感は

「・・・・・」







「・・・・・」

・・・もしかして・・・

やっぱり 「う〜ん」

「・・・・・」

チラっ

窓辺からチェック

「・・・・・」

・・・う〜ん・・・

風は冷たくなり

そして

風の冷たい朝のこと

ちっこい雪だるまさんと共にお目覚めしたペンちゃんは

なんだか

とても

とてもお外が気になるのでした。


「・・・・・・」

お餅焼き器 再登場！

さらに秋が深まるころ・・・

お母ちゃんはたたみのお部屋に

お久しぶりに「お餅焼き器」を登場させてきたのどした。

「今日はまだお部屋に飾っとくだけね。ほほほ。もうちょっとお寒くなったらぬくぬくの素を入れて

お餅を焼きましょうね。」

「きゃ！きっとよそのお家でもそろそろお餅焼き器を出してきてはるころよね〜〜♪」

「ほほほ。どうやろね〜〜。これは最新のかなり進んだお餅焼き器やからね〜〜。ほほほ。」

「まだ持ってないお家もあるんやね！？？」

「ほほほ。そうかもねえ。」

ふふふ。そうかもよ〜〜。

この次の季節こそ

でも・・・

本当はペンちゃんはわかっとるのです・・・

雪だるまさんにはやっぱり　

あの、お寒いお寒い日々が一番似合っていたことを・・・

「この黄色い葉っぱの次の季節が来たら・・・きっと・・・」

ペンちゃんの雪だるまさんはお約束どおり

お里のお庭に帰ってきてくれるはず。

来てくれるはず・・・

黄色い葉っぱで焼きイモだって・・・

ペンちゃんの大好きな黄色いが葉っぱが敷き詰められる季節には

やはり

雪だるまさんにもこの景色を見せてあげたい気持ちになるのでした・・・

「お母ちゃん、雪だるまさんと一緒に〜〜

この落ち葉で焼きイモをするから〜〜おイモちゃん、買ってきてね！」


とか・・・きっと・・・

楽しいよね・・・

パッチワークのおフトンも

朝顔さんの種の子たちの収穫が終わるころには

かわいがっているちっこい雪だるまさんのおフトンも徐々に冬仕様になっていったりして・・・

「はい、お母ちゃんがね、ペンちゃんのおフトンカバーを作ってくれる時のちっこい布がいっぱいあるから

一緒につくってくれたんよね〜〜。

似合っとるよ！はい、お昼寝してちょうだい！ねんね〜〜♪ねんね〜〜♪」


もちろんその夜は

ペンちゃんもこれと同じデザインのもうちょっと大きい版のおフトンカバーで

おねんねするのでした。

お月様の季節も

少し涼しくなりはじめたころには

ペンちゃんの大好きなお月見を楽しむ夜もやってきたりして・・・

「今日はまん丸のお月様よね！」

でも〜〜明日とかもほとんどまん丸よねえ！

せやから〜〜明日もお月見のお団子、よろしくね、お母ちゃん！！

お幸せな季節はゆっくりと流れていくのでした。

ボクより背が高いよ

かつて雪だるまさんがいた場所も

すっかり朝顔さんに占領されたりして・・・

「ふふふ！雪だるまさん　ここにいたら驚くやろうねえ。」





「ペンちゃん見て！ボクのまわりはお花でいっぱい！しかもボクより背が高い子もいてるよ！すごいよ！すごいよ！」

とかいうたりして！

そのあと一緒にかき氷なんぞを食べたりしてねえ。ふふ！

ご同行させてあげたりも

そして

ついに迎える　ペンちゃんのお庭のもっとも華やかな季節には・・・

ちっこい雪だるまさんも朝のお庭の巡回にご同行させてあげたりして。

「ほらほら〜〜見て！ステキよね！あんたは色白やから〜〜夏のお庭は日焼けが心配なんやけど〜〜」

朝お早い時間やったら〜まだ涼しいしね、ええでしょ〜〜？ふふ！

お手伝いもしてくれたはず

もし　

もしまだここに雪だるまさんがいたら・・・

きっとふたばさんのお世話をお手伝いしてくれたはず・・・

「そうそう。雪だるまさんはペンちゃんより背がう〜〜んと高いからね！上のほうからお水を〜

そ〜〜っとふたばさんにかけてあげてね！」

「こんな感じで大丈夫？ペンちゃん。」

・・・とか・・・いうたりしてね・・・

ふふふ・・・

かわりにやって来た

お寒い季節ととももお庭を去った雪だるまさんのかわりに

やって来たのは朝顔さんのふたばのみなさん。

「おかえり！おかえりみなさん！今年もお世話はペンちゃんにおまかせしてね！」

待ってたよ！待ってたよ！ふたばのみなさん！


・・・ペンちゃんのお庭はこれからが　また忙しくなり始めるのでした・・・

お寒い季節は遠くなり

そして

ペンちゃんの雪だるまさんが　もうすっかり雪だるまの国で

新しい仲間に囲まれて楽しく過ごし始めているだろうと思われる頃・・・

ペンちゃんの頭上にはきらきらの雪にかわり

ピンクの花びらが舞い落ちてくる季節にかわっていったのでした。

お人形ではないから〜〜

ペンちゃんはちっこい雪だるまさんにも

色々なマフラーを着せてあげたりすることも・・・

「今日は新しくお母ちゃんにつくってもらったピンクのマフラーにしようね。せっせ。せっせ。」

お母ちゃん、今度は緑色のマフラーもつくってあげてね。

「はいはい。ペンちゃん、もうすっかりこの雪だるまさんは衣装持ちやねえ。」

「ふふ。ペンちゃんは男の子やから〜〜お人形さんで着せ替えごっこはせ〜へんけど〜〜」

ほら〜〜この子はお人形さんじゃなくて〜

雪だるまさんのかわりやから〜〜　ね。

おしゃれさせてあげんとね〜〜。せっせ　せっせ♪

おやつもわけてあげるね。

それからペンちゃんは

雪だるまの国でがんばっている雪だるまさんを想いながら

お家のちっこい雪だるまさんをせっせとかわいがったりして。

「はい。おやつのマカロンね。ペンちゃんとひとつずつってことでね。ふふ！」

あんたはちっこいから〜

同じくらいの大きさのペンちゃんのお風呂のお友のあひるちゃんとも

仲良くなれるかもよ。

ふふ！

大歓迎されとるはず！

「きっと・・・雪だるまさんはもうベテランの雪だるまさん仲間のところに合流しとるころよね・・・」

ペンちゃんの雪だるまさんやほかの新人雪だるまさんと一緒に〜

大歓迎されとるにちがいなしよね〜〜。





「あ。君のことはウワサできいているよ！ペンちゃんのお家の雪だるまくんだよね！」

とってもお家でかわいがってもらっていたそうじゃないか！

その赤い帽子と黄色いマフラーもとっても似合っているよ！

よく来てくれたね！

よく来てくれたね！待ってたよ！


・・・・とか言うてもらっとるんやないやろか〜〜？？

ふふふ！！きっと・・・そうよね〜〜。

よかった・・・

冬をもっていって

「なんだか・・・急にあったかくなったんよねえ・・・」

ついこないだまで雪だるまさんがのんびりしていたお庭には

急に暖かな日差しが差し込んでいたりして。

「雪だるまさんがいなくなってしまったら急に季節がかわってしまったみたい・・・」

ん？

ん・・・もしかしたら〜〜

季節がかわるのを知っとったから・・・雪だるまの国へ急いだんやろか？？

ん〜・・・どうなんやろか〜？

雪だるまの世界は〜やっぱり　深いんよね・・・

ふふ。

また今度会った時、ゆっくりお話せないかんわ〜。

やはり姿はなく

それから　

温かいミルクティを

お母ちゃんにご用意してもらったペンちゃんは

そのカップをもったまま　ちょこちょことお庭にでてみたのでした。


ゆうべ雪だるまさんを見送ったあのお庭の一角は

まるで　はじめからだれもいなかったように

とても静かな場所になっていたのでした。