ペンちゃんはもう寝たよ

「ううう・・・」

ペンちゃんはもうおねんねするからね！

うう・・・

おやすみお母ちゃん。

すやすやすや〜〜〜。

ペンちゃんはもう寝たよ。もうおねんねしたよ！

うう〜〜。すやすや〜〜！！








「・・・・・」

・・・ペンちゃん・・・・

ペンちゃんの涙が

お母ちゃんは

ペンちゃんのお部屋を離れた後

かわいいペンちゃんの涙がつらくてつらくて

一人　お庭に出ていったのでした。






「・・・やっぱり・・・ずっとここにいてもらうのは無理よね・・・」

ペンちゃんも

わかってるんだって。

でもね・・・





ペンちゃんは

お別れが悲しくて泣いてるの。

だから

またいつかここに来てあげてね。





ペンちゃんのこと

覚えていてあげてね・・・

涙のおねんね

その後

ペンちゃんは・・・






「・・・・・」






「・・・・・」


・・・パチッ・・・

すっかり真夜中

「・・・・・」



むくっ・・・

お部屋を見渡して

「・・・・・」








「・・・・・」

ちょっと重いけれど・・・

「・・・・・」

うっ・・・

ふう〜〜〜・・・

真夜中のお庭へ

「・・・・ふう・・・・」


ちょこちょこちょこちょこ・・・・

向うに見えるは・・・

・・・・・ちょこちょこちょこ・・・・・












「あっ！」

真夜中にきらきら

「ああ・・・」

雪だるまさん！

なんだか　なんだか・・・








キラキラしとる！！

ちょっと重いので

「雪だるまさん！あのね・・・あ・・・」


そ、その前にちょこっと重いので

ひとつこっちに置いて・・・ふう・・・

雪だるまさん・・

夜遅くにごめんね。

ふう・・・

よいしょっと・・・

はあはあ・・・

いてくれて良かった

「はあ。はあ。よ、よかった・・・雪だるまさん・・・」

まだおってくれて・・・

あ、あのね・・・もしかしたら

もしかしたらね・・・

雪だるまさん　そろそろ　ここのお庭から

どっか・・・よそに行ってしまうんやないかしら・・・って

思ったりして。ね。

そ・・・そんな気がしてね・・・

今夜のうちに

「あの・・・それでね・・・」


これ・・お母ちゃんにお願いしてつくってくもらったものなんやけど・・・

今夜のうちに

お渡ししといたほうがええかもしれんと思って・・・







「・・・・・」

どうか 受け取って・・・

「雪だるまさん・・・お願い！受け取って！！」











「・・・・・ペンちゃん・・・・・」











「ありがとう・・・・・」

うれしいよ ペンちゃん！

「ありがとう！ありがとうペンちゃん！」

ホントに　ホントに　うれしいよ！

それに

ボクはペンちゃんに

すご〜〜くかわいい雪だるまさんにつくってもらえて〜〜

すご〜くうれしかったよ・・・









「・・・・・」

雪だるまさんは言うてたよ

　　　　　　「ねえ。ねえ！お母ちゃん！雪だるまさんがね」


　　　　　　『ペンちゃんにすご〜〜くかわいくつくってもらって〜〜

　　　　　　すご〜くうれしいよ〜〜』って言うとるよ！


　　　　　　「お母ちゃん、雪だるまさんが『ペンちゃんに会えてうれしいよ〜〜』って言うとるよ！










「・・・・・」


やっぱり・・・

会えてうれしいよ・・・

やっぱり！！

やっぱり！！







「お話、できたんやね！　やっぱり、そうやったんやね！！」


「うんうん・・・ぺンちゃんに　会えて　うれしかったよ〜！！」

どうしてだまっていたの

「うっ・・・うう・・なんで・・・なんで　今まで黙っとったんよ〜〜。」

うう〜〜〜・・・


「・・・びっくりさせてごめんね。ペンちゃん・・・・・」

最初はペンちゃんと同じようにはお話できなかったんだけど・・・

毎日　毎日　ペンちゃんがいっぱいボクに話しかけてくれたから〜〜

やっと　お話の仕方を　覚えることができたんだよ〜

でも・・・ボクが心の中でお話してたことばは

ペンちゃんは

最初から全部わかってくれてたねえ・・・

なんておしゃべりしていたのか

「そうか・・・そうやったんやね！」


うっ・・うう・・

お話、できるようになってくれたんやね。

ペンちゃんはわかっとったよ！

雪だるまさんが黙っとっても　なんておしゃべりしてるのか

ぜんぶ　ぜんぶ　ちゃんとわかっとったよ！！



・・・・・・雪だるまさんのお手手はとっても大きくてふんわりとしていたけど

なぜだか　ペンちゃんにはちっとも冷たく感じなかったんだって・・・・・

どこかに行くと思って

「ペンちゃん・・・ボクがどっかに行ってしまうとおもってるんでしょ・・・」

あの・・・実は・・・

実は・・・さみしいけど・・・ボクは今夜　ペンちゃんからもらったプレゼントをもって

『雪だるまの国』へ一度帰ります・・・



「ええ！！？？　雪だるまの国！！？？」

すべての雪だるまさんが！？

「ど・・・どこかに行ってしまうんやないかって・・・思ってたんやけど・・・」

やっぱり！

そんな国があったんやね！！

もしかして　今夜　このあたりの雪だるまさんは〜

全員そこへ帰るんやね！？？








「・・・・う〜〜ん。ペンちゃん・・・」

それが〜〜

ちょっと違ってね・・・

あのね・・・